明治、大正、昭和、平成そして令和へ
女は孤独の闘い。100歳を超えて生き抜いた曾祖母ちゃんのお話です。始まり、始まり〜。
序章
オトは明治32年に生まれた。
祖父、父母、兄姉、オトの六人家族。
祖父と母と兄姉は田畑を耕し、父は朝早く
大八車で取れた野菜を売っていた。
オトが六歳になった時、父ちゃんから、
「オトは六つになったんだ。畑はいいから
父ちゃんの大八車を後ろから押する手伝いだ。」
といわれる。
オトは毎日、暑い日も寒い日も、晴れの日、
雨の日も働き続けた。
そんな営みのオト家族を折につけ、見つめる
男がいた。その男はミナミ屋の法被を着ている。
ある日の夕方に、オトの父親に声をかけた。
「あんたたち親子は働き者だ。よく見かけるよ。
野菜売り。そこの娘はいくつかな?」
「15になるだ。」
「突然の申し出だが、娘をウチの店で奉公させないか。」
「ミナミ屋さん、オラには有難い話しだが、店を汚すんではないだろうか?」
「では3日待とう。働き者の女中を探していた。」
オトはミナミ屋と父の話を聞き、俯くだけだった。
さて、オトはどんな人生を送っていくのか?
次回に続く!